
施設・設備
施設・設備
3m法電波暗室
電波を放射するものは、航空や交通などのインフラ以外にも、スマホやルーター、スマート家電など、身近な生活でもなくてはならないものになっています。これらを製品化するためには、電波を使用した実験が必要になりますが、そのための施設が電波暗室。ここは電磁ノイズを部屋から出さず、外部からの影響も受けることがありません。法律によって厳格に制限されている電波を放射しての実験を自由に行うには、こういった特別な部屋が必要なのです。
レーザー実験室
本実験室では、光センシングをはじめとする光を利用した研究用途向けの光源開発を行っています。高出力レーザーや特定波長で発振するレーザーなど、研究対象に応じた多様な装置の開発が可能です。光パワーメーター、波長計、分光器、高速オシロスコープなどの光計測装置を完備し、精密な測定が行えます。さらに、暗室仕様のため、微弱光の計測にも対応しており、幅広い光学実験に適した環境を提供しています。
大気環境計測のための天体ドーム
本ドームは、大気環境計測のための光リモートセンシングに活用されています。ドームの開口部からレーザー光を上空に照射し、大気からの微弱な散乱光を直下の光学望遠鏡で集光します。受光された光の強度、波長、偏波情報を解析することで、大気汚染物質や微量気体濃度、雲、気象要素の空間分布を遠隔計測します。各種望遠鏡と高感度の微弱光検出器を備え、多様な観測ニーズに対応可能です。
量子効果デバイス研究室
本測定室では数GHz帯から最高300GHz帯までの周波数の電磁波を試作したデバイスに照射する実験ができます。また動作温度を室温から20Kにまで冷却した状態で半導体デバイスの電流-電圧特性やインピーダンスを評価する実験ができます。例えば,化合物半導体を用いたサイズ数μm級の共鳴トンネルダイオードとサイズ数百μm級の金属薄膜アンテナをモノリシック化した量子効果デバイスの300GHz帯動作特性などを評価しています。
乾式磁気分離実験装置
「超伝導で地球のエネルギー・環境問題に挑戦しよう!」をモットーに超伝導応用の研究を行っています。高分解能MRI(3T、30K伝導冷却)や電動航空機用モーター、大型風力発電機などで使用が期待される高臨界電流密度を持つ次世代超伝導線材を開発中で、また超伝導電磁石の強い磁気力による有価資源の分離回収や高勾配磁気分離による水質浄化、粉体からの異物除去などのシステム開発も行っています。
カーブトレーサ
カーブトレーサは,半導体のさまざまな特性を評価・計測するために使用します。保有するカーブトレーサは,パワー半導体の特性評価をするために最大3,300Vの電圧を印加することができます。これに加えて,電圧依存のキャパシタンスも計測できる仕様になっています。
BHアナライザー
BHアナライザーは,磁性材料の特性評価することができる装置です。任意の正弦波交流を印加した時のヒステリシス特性を描くことができます。これに加えて,正弦波以外の波形が印加されたときの特性を評価することができます。
インピーダンスアナライザー
インピーダンスアナライザーは,様々な電気部品の120MHzまでの周波数特性を計測できる装置です。寄生パラメータを含めた部品の等価回路を求めることができます。また,5Aの直流電流が流れている状態での計測もできるため,電流依存によるパラメータ計測も可能です。
走査型電子線顕微鏡 JEOL製JSM-7100F
光学顕微鏡では見ることのできない微細構造を観察できる電子線顕微鏡です。最大観察倍率は50万倍以上、分解能は2.0nmで、髪の毛の太さの1/1000以下の構造を観察することができます。EDSによる元素分析も可能です。作製した新しい物質の表面構造やデバイス構造の観察など、様々な研究で活躍します。
直線型走行中ワイヤレス給電実験装置
走行中ワイヤレス給電とは,電気自動車等の移動体にコイルの電磁誘導現象を用いて電力を送る技術です。走りながら充電ができるようになるので,電気自動車のバッテリを小さくしながらも無限に走れるようになります。現在電気自動車の価格は高いですが,この技術によりずっと安くなるかもしれません。写真の実験装置では,直線レールに取り付けられた受電コイルを移動させ,その位置の送電コイルに電流を流して磁界を発生させます。ここまでの設備を揃えている大学は世界でも多くありません。
回転型走行中ワイヤレス給電実験装置
写真の実験装置は,直線型走行中ワイヤレス給電実験装置を応用した,回転運動を利用した実験装置です。直線型の装置では,受電コイルの加速・減速距離を設けなければいけないため,自動車と同じ速度で実験を行おうとすると,大学の研究室には置けないような大きさになってしまいます。しかし,回転運動を利用することで,比較的小さなスペースで自動車と同じ速度で受電コイルを移動させる実験ができるようになります。この設備を揃えている大学・研究所は世界でもほとんどありません。